友人と再会して / その日の記録として
beebee
久し振りに見た友は
額の正面の髪の毛を白い塊にして
少し垂れ下がった目尻には
細かい皺を溜めていた
よう !!
お互いが働き盛りたっだ頃に
道を分かった友は
なんと逞しく生きて来たことか
生きることを同じくしていた時には
舌鋒鋭く追求した友を
田舎者の私は眩しく見上げたものだった
しかし若さという無闇な衝動と
全てを肯定する狂おしさは
少しの欺瞞も許せなかった
彼は上司の傲慢な欲望と
冷徹な組織の歯車の間に挟まれ
身動きがとれず
騙され騙して自分自身を傷つけた
彼には強い思いがあった
あまりに強い望みの前に
彼は行き場を無くしてしまった
彼は自分を頼み
運命を頼み飛び出した
その強さを誰が咎められるだろう
その話を聞いた私は想像を膨らましたが
それは自分を甘やかすためだった
自分にも頼む力があって
同じく自由に羽ばたく姿を想像した
自分も同じだ
自分にも頼む力があり運命があるに違いない
どうか私を笑わないで欲しい
命を惜しんだ訳ではない
伸びて行く若木は自分も同じだった
道は違えども生きてきた道は変わらず
厳しい星霜であったことを
目元に笑いをたたえて君は笑った
よう!
おう!
会うのは何年振りかな
三十年は経つねと私は答えた