愛の奴隷
本城希望

君は僕の胸にナイフを突き刺し悪魔のように嘲笑う
剣先についた毒が動脈に流れ込み
心拍に合わせて毛細血管まで染み込んでいく
嗚呼 これで僕も君の奴隷になってしまった
嗚呼 これで僕も君と絶頂を得られる
君のエロスに狂わされた僕の行く末など
誰ひとり気に留めないだろう
夢も現実もひとつのグラスの中で混じり合った小さな世界
性欲と物欲の入り乱れる汚れた世界
この君という世界の奴隷となった僕は
背中の鞭痕の数だけ快楽に浸り
奴隷という立場を言葉の持つ意味とは無関係に
かつてない悦びを感じている


自由詩 愛の奴隷 Copyright 本城希望 2003-11-18 19:53:37
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