移りゆく季節
ミナト 螢
テーブルクロスを二つに折って
君がいた日々の模様を消した
遠くで聞こえる予鈴の音が
誰かの踵に潰されるのなら
忘れなきゃ前へ進めない
悲しみの全てを一緒に汚し
季節を見渡す気球に乗ろう
思い出ばかりを引き出していた
あの頃を越えて街は銀世界
静脈が凍ったらつららになって
心臓を突き刺すアイスピックみたいに
君の景色を狙っていたけど
幸せを祈る天使の涙が
温かいほど優しさに溶けて
春の踊り子は復活できる
新しいテーブルクロスの上で
焦がしたクッキーを踏み台にして
夏の星座を掴まえに行こう