移りゆく季節
ミナト 螢

テーブルクロスを二つに折って
君がいた日々の模様を消した

遠くで聞こえる予鈴の音が
誰かの踵に潰されるのなら

忘れなきゃ前へ進めない
悲しみの全てを一緒に汚し
季節を見渡す気球に乗ろう

思い出ばかりを引き出していた
あの頃を越えて街は銀世界

静脈が凍ったらつららになって
心臓を突き刺すアイスピックみたいに
君の景色を狙っていたけど

幸せを祈る天使の涙が
温かいほど優しさに溶けて
春の踊り子は復活できる

新しいテーブルクロスの上で
焦がしたクッキーを踏み台にして
夏の星座を掴まえに行こう


自由詩 移りゆく季節 Copyright ミナト 螢 2018-08-23 09:39:20
notebook Home