僕は世界の何を知ったというのだろう
pochitto


いつだってそうだった世界は僕の知らないところで闇の皮を切り裂いて光を――虹彩の形に切り取られた――どこかに
投げかけていたのさ乱気流をかいくぐって浮かび上がった場所は実は無限に大きな座標軸のほんの一点にしか過ぎな
かったんだ生まれる場所であり消えゆく場所でもあるそこは経験したことのない感情が住んでいた――そんな感じで物
語は始まったんだよねそう僕は若くて、というか物を知らないヤツなワケだ(笑)――世界を意識しだしたきっかけは? 
いつだって意識してきたさ要するに程度の差だよね小さい頃はそれなりのカタチをした世界を思い描いていたわけで今
はよりリアルな言い換えれば夢のない世界を意識しているよね明日の予定だとか何年後の収入はいくらだとかローンの
支払いだとかでもずっと成長してきて理解したことがあるそれは自分で考えなければ世界は始まらない(笑)だってそう
だろ間違っちゃいない世界=僕であり僕無しの世界は僕の中には存在しないってことだよね――好きな場所は? お風
呂かな(笑)風呂に入る                    ってのは身体にインプットされていてほとんど自動
的な動きだつまりそれ  自分で考えなければ世界は始まらない(笑) だけ脳がフリーになるって事風呂に入っている
ときにいろいろな着想が                     浮かんでくるから好きだなそうそう海外旅行に行
くとホラ向こうのバスルームは日本のとはだいぶ違うからあまり良い着想は浮かばないねってオレなんで事告白してんだ
ろ(笑)――成長とは? 世界に対してよりはっきりと焦点を合わせるようになることそれが成長するってことだろうねここ
は自分の世界であり予言どおりには進まないけれどある程度自分でコントロールできる世界だということをより実感して
いくそれが成長だろうね間違っても予言の書を信じるような愚かな大人にはなりたくないね――詩とは? 本質を実体化
するためのツールってところかな僕はある日気づいたん                           だ物
事の本質を捉えたモノってのは有無を言わさず人の心  予言の書を信じるような愚かな大人にはなりたくないね を捉
えるって事にそれはまったくの偶然で我ながら感心した                           もの
だよだけどその領域に近づくのは至難の業だよね奇跡に近いかもしれないそれだけ本質ってのは僕らの世界から遠い
ところにあるってことかもしれないけどワールドクラスの作家になるとこの本質ってヤツを見事に捉えてるから驚きだね
何かコツでもあるのかな(笑)教えて欲しいよねいずれにせよ詩は本質へ近づくための最善の方法なんだよ僕にとって
――感情の昇華という面では? それもあるだろうねいびつな形をした感情を吐き出すためには何がしかの表現をする
必要があるそれはおしゃべりであったり芸術活動であったりスポーツであったりいろいろな形態を取って行われる僕もず
いぶん生意気なことを言ってはいるけれど所詮はストレスの捌け口なのかもしれない(笑)――今後の活動について
僕は趣味で詩を                               書いていて仲間もいるそれはとても
楽しいことではあ この道がまっすぐ伸びてるかどうかなんて分からないんだよね るのだけれどこのままダラダラと続け
ていていいものだ                             ろうかと少し考えることもあるね所謂
プロの詩人になれればそれはとても幸せなことだろうしかといって今続けている仕事を投げ打ってまで詩に没頭できるか
というと自信はない僕の祖父は多趣味な人でかつ仕事の方でもそれなりに出世したらしいけれど僕は祖父ではないし現
代に生きているし比較の対象にはならないね優秀なビジネスパーソンになりたいという気持ちもあるし表現の世界を極め
るというのも魅力的に見える要するに優柔不断なんだね(笑)こんな事では何事も大成できないことは良く分かっているよ
でもまあ何年か前は詩なんてこの世界に存在するかどうかすらよく理解していなかったワケで(笑)どうなるのかは自分で
も分からない結局のところこの道がまっすぐ伸びてるかどうかなんて分からないんだよね今この時点で僕が知っている世
界なんてたかが知れてるしこの先何年何十年生きていったとしてもそれは変わらない本当にそうだ僕は世界の何を知っ
たというのだろう?


自由詩 僕は世界の何を知ったというのだろう Copyright pochitto 2018-08-08 11:05:00
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