焼却センター
藤山 誠
硬い雲達に負けないように
灰色の煙突はまっすぐと立つ
足元でうるさい虫どもの声も気にせず
頭の上を滑る飛行機にも動じない
空がただ高くなるたびに
煙突はぐんぐんのびた
空が夕焼け色になるたびに
煙突は灰色になった
長い間煙を吐き続けて
今日もまた煙を吐いている
あの煙突のためになら
空気は煤だらけになってもいいと思った
自由詩
焼却センター
Copyright
藤山 誠
2018-07-21 00:27:35