光合成のうた
邦秋
良くない話が心に棲みつきスイッチを押せば
遠慮もなく増えてくから 見えない鎧になっていく
時計が壊れるほど速く永い黒も
宇宙に憧れるくらい重たく深い青も
少し立ち止まって時間(とき)に取り残されてみる
そして作り出す溜め息の白さで心を埋めて
瞼閉じれば昔のまま安らぎくれる場所がある
目を凝らせば向こう側に未知の煌めきが待ってる
朝顔くらい小さくささやかでもいいから
何遍でも蘇る喜びの種を持って
涙隠す雨がシャツを濡らしても逃げずに
その潤いを抱いたまま心渇かさないで
雨を降らせた雲もあの日立ち止まった理由(わけ)も
再び走り出したときの風の摩擦に任せ
強い陽射し浴びて新しい力に変えていく
それができれば昨日より強く今日を生きていける
よくある話さ 心は空っぽじゃ枯れていくだけ
溜め息と涙は次の陽射しを静かに待ってる