alone
ミナト 螢
遠すぎて不安になった心が
ポケットの外で鈴を鳴らした
助けてという言葉の代わりに
瞬きの音を残してゆくよ
りんりんりんと見つめる夜空に
リンリンリンと電話を掛けたい
あの人の番号を書いた紙が
ポケットの中で行方不明さ
無人島のような町で暮らせば
溜まっていくのはレシートだけだ
ジーンズの色が移る季節に
漂白された僕等の関係や
染色された青いレシートで
あの人の声は幻になった
自由詩
alone
Copyright
ミナト 螢
2018-06-24 09:22:33