嵐の予感
ささはら
嵐の予感がしなくもない
稲妻が遠くはじけるから
傘をさした人々の連鎖
水たまりの中青く染まる
蜃気楼の出現により
散り散りに散り散りに
立ち消えた犬
ゆくえを眩ました
嵐の予感がしなくもない
稲妻がもはや鳴り止まない
傘をさした人々の連鎖
水たまりが赤く染まる
四足歩行の出現により
ずたずたにずたずたに
破裂した犬
内臓が露わになった
嵐の予感がしなくもない
稲妻が遠くはじけるから
嵐の予感がしなくもない
稲妻がもはや鳴り止まない
傘を片手に歩く人々は廉価
赤く染まった水たまりの中で
踊る胎児よ笑え
青く染まった水たまりの中で
爆発の大味に覚醒
大戦争の予感がしなくもない
耳障りな爆発を握り潰して
瓦礫の山で眠れ