欲望~詩作
ヒヤシンス
美を描くノートは未だ白く、
夜と朝の狭間でゆらゆらと揺れている。
美の中に優しさを忍ばせて、じっと待つひと時。
窓から望む街路灯が不規則に消えてゆく。
淡い夢のような微睡が訪れては去り、
煙草の吸いさしは絵画の中で異彩を放っている。
表現するには心もとなく、一言添えれば冗長だ。
籠の中の不器用な天使が歌うまではじっと待とうか。
言葉が生まれる瞬間に立ち会える幸せ。
ひらめきがときめきに変わるその時だ。
綴る言葉がほどよく縺れ、大樹に育つ。
夜明けと共に美が生まれ、万年筆は役目を終える。
優しさを纏った美の上に、芳醇な匂いと揺らぎが欲しい。
欲望は尽きぬまま、朝日と共に庭に出る。