六月の朝はまどろむ
そらの珊瑚

薔薇の散るかすかなざわめき
酸性雨はやみ
コンクリートは少し発熱している
大きな海で貝は風を宿し
小さな海では蟻が溺れる
波紋はいつだって
丸く
遠く
対岸で鳥はさえずり
ポストはチョコレート色にぬりかえられ
影の縫い目はほどけかかっている
鍵を失くした錆びた錠前
レコードの溝をたどる針の鋭さに
反比例する
やわらかい音色

この世の歌たちに言葉など求めなければ
昨日
地に垂直に下ろしたはずの
わたしの錨が
いとも簡単に
かしいでいく





自由詩 六月の朝はまどろむ Copyright そらの珊瑚 2018-06-02 11:07:21縦
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