静止性
ただのみきや

流れ出た血が固まるように
女は動かない
動かない女の前で暫し時を忘れ
見つめれば やがて
そよ吹く風か 面持ちも緩み
――絵の向こう
高次な世界から
時の流れに移ろい漂う
一瞬の現象でしかない
わたしを眺めている
叩かれて扉を開けただけ
たぶん 画家も彫刻家も
こちらに流れ出るには
静止性こそ相応しい
生々しさと普遍性を併せ持つ
人を引き寄せて止まない作品たち
時の流れを覗く箱眼鏡



        《静止性:2018年5月30日》








自由詩 静止性 Copyright ただのみきや 2018-05-30 18:43:54縦
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