moote

涙を、

光ばかりの静寂に落とす

邪悪な光は冷気の中でたどたどしく転び

火だるまになる

器を焦がしてしまった

とても新鮮な空気を吸いながら

涙を、

月の中の悲しみに垂らす

この世のものではない匂いの虜になる

無と覚醒の狭間の空間で

脳内麻薬に溺れながら思考を憎む

壊れた時計、思い出、この肉体を崖から落とす

音が踊る、無を表現した音楽に包まれる

涙が何処かで空気になりたがっている

どうでもいいことだけれど

太陽を直視し失明しようと片腕がなくなろうと

死に辿り着いたら関係ない

私はあと二秒くらいで死ぬ

生の静かな息吹と共に一人で乾杯する


自由詩Copyright moote 2018-05-29 03:05:23
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