密儀
ペペロ
そこには私語ひとつなかった
密儀はたんたんとすすみ
尊さがただ強調されつづけた
読経のときだけ声を発した
はじめて会ったひとばかりなのに
訓練された聖歌隊のようにそろって
倍音のような音声まで響いていた
ひとりを救うという不動心
それが使命なのだと
そのための歓びや艱難辛苦なのだと
そしてこの境地は尊いお命のうえに
大乗利他の不動心が
心底申し訳なく座していた
そこには私語ひとつなかった
密儀はたんたんとすすみ
尊さがただ強調されつづけた
読経のときだけ声を発した
はじめて会ったひとばかりなのに
訓練された聖歌隊のようにそろって
倍音のような音声まで響いていた