よいやみ
秋葉竹
つきあかりはぼんやりと
わすれたころに潤む
はむしがとぶ白光のなかに
かわいたかげがみえる
それはまちわびたわが子のこいかげ
といかけをしなければきえてなくなるまえに
くちびるはちいさくうごき
はかれないこころをとう声をつぶやき
ながれない涙のながしかたをこころみる
よろしいですかもういちどと
よろしいですかもういちどと
よろしいですかもういちどと
くりかえしくりかえし
おるごーるのえんどれすで
まちにながれる5時のちゃいむのおとに
びくつきながらおんかいにおぼれながら
わが子のなまえをよびつづけるしつこさで
いきのつづくかぎり
なにに憧れもしないつめたいふゆ
もふくのおんなのこえがするよいやみ