水玉記念日
望月 ゆき

さよなら、と言って
去っていったあなた
の写真に
穴あけパンチで
はじっこから
パチン、パチン、と
等間隔で穴をあけていった

もう、その写真は
あなたじゃない
かもしれない、というくらいに
だれだかわからなくなって
いつしか
ただの水玉でした

水玉になったあなた
かだれだかわからないそれを
夜空にすかしてみると
小さな穴には
まあるいおつきさまが
ぴったりはまって
わたしはすこし泣きました

おつきさまの
となりの穴のむこうには
あしたのわたし
そのとなりの穴のむこうには
あさってのわたし

今日を忘れてはいけないよ、

たぶん、
わらっていました


自由詩 水玉記念日 Copyright 望月 ゆき 2005-03-20 22:57:41
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