かぐや姫
tonpekep
空を飛ぶ うさぎが
いてもいい
綿雲と綿雲の間を
ぴょんぴょん飛んでいく
ついでにうさぎのしっぽから
青空のこどもがこぼれたら尚いい
うさぎの耳は何万光年先の
川のせせらぎを聞いている
たぶん菜の花やちょうちょは
この星にだけ在るわけじゃないんだ
靴下と一緒に
洗濯したぼくの心も良い香りがしている
物干し竿にぶら下がったぼくの心
偏西風に吹かれて 靴下の横でゆらゆらしている
ぴょんぴょん
うさぎは
きっとにんじん星に向かおうとしているに違いない
まるごと にんじんの星
そしてにんじんで
餅つきをするという 衝撃的事実!
空飛ぶ うさぎが
いてもいい
春 かぐや姫は
夕暮れになると 空ばかり見上げている