オナニー
一 二

継続こそ力なり

小学生2年生のあの日から
ご飯を抜いた日はあっても
オナニーを抜いた日は無い
ヌクのを決して抜かなかった

小中高の修学旅行のときも
部活の合宿のときも
高熱を出したときも
入院したときも
親族が亡くなったときも

あらゆる道具
あらゆる液体
未知の快感を求めて情報収集
そして実践の日々だった


他人との性行は
互いの親密度を深め合うものであり
気持ち良さでは
オナニーのそれには
遥か及ばない

だから高いお金を払って
知らない人と
愛の無い性交をする
人の気持ちがわからない

親密度を深め合う
という本質を理解できず
手段が先行し
強姦してしまう
人の気持ちがわからない

ノゾキや下着泥棒や痴漢をする
度胸があるのに
真っ当な性的関係を申し込まない
人の気持ちがわからない


性交とは本来
愛し合う二人が
次世代へのバトンを
繋ぐための行為であり
他人に見せても恥ずかしくない行為だ


現代人よ
一度立ち止まって
オナニーをしよう

お金も要らず
ただ己の心と体の一つだけで
気持ちを無にしよう


万物の霊長と自負する
傲慢なる我々が
性交で苦しむというのは
余りにも滑稽で未熟で
惨めすぎるではないか






自由詩 オナニー Copyright 一 二 2018-04-18 02:33:22
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