sakura soda
むぎのようこ



たてもののすきま
瓶のそこに
いる
みたいな、
うすあおい灰色は
だれかのため息
ひかりが
灯るあいだ
だれのことも
おもいださないで
よくて
シャツがはためく

はるのよるは
不思議にあかるく
ちらちらと
花びらを
ふりつもらせては
乱反射する灯り
いぬかれた
影が
いつまでも
ぬいとめられて
いるから
瞬きもしない

うたうのにきえて
ゆく
ことばは
もうだれのものでも
ないから
しずまりかえる
あいだだけ
もてあそんでいる
てのひらから
あまして
零れた、







自由詩 sakura soda Copyright むぎのようこ 2018-04-12 22:20:54
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