かめのこうら
はるな
今世めちゃがんばるから来世はきれいな亀の甲羅になりたいな
かみさまよ
いない世界の数合わせさせられて
伸ばした髪がせんぶ枝毛
責任とってよと言いたいとこですけど
指が5本ずつあるのとか
ホケキョのさえずりきいてる午後とか
文庫本のカバーいつもなくしちゃうとか一万円札とか
ベランダの影って感傷的だよ
空から小指までぜんぶこの世界はわたしではないよ。
そうしてわたしの影の落ちるところはうすら不幸だよ。
いじいじとたばこの灰をあつめてさ
こんなに風がつよいです
きれいな亀の甲羅になってさ
ひからびた螺鈿をゆめみるのさ
さむいさむい北の湖の底のほうで
百年前からねむってる水草みたいにさ。