うすぼけた休日
番田 


sと会い
僕は彼と話していた 六本木は
肌寒かった 今日も カフェのテラス席で 
あまり面白くもないことを


風は真冬のような冷たさで
僕らはヒルズの中で行き場を失い 
やはり ベンチに腰掛けていた そして
そこで買えるものについてを考えていた


ここに来た意味を僕らは探してはいなかった 
コーヒー一杯ではたどりつけない
確かな 手応えのような 実感  
目を凝らして じっと そんなものを 探していた


何かを探して 僕はsと別れた 
曇り空というのもあるのかもしれないけれど
地下鉄の分かれ目で手を降って それから
人混みの中に消えたのだった




自由詩 うすぼけた休日 Copyright 番田  2018-04-08 20:40:31
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