a piece of spring
そらの珊瑚
春が流れていく
みなもに降り立った
無数のひとひらたちは
いたづらに未来を占ったりしない
何にも誰にも逆らわずに
やがて
その先でひとつになる
裏もなく表もなく
命は等しく終わりを告げて
その先で大きなひとつになる
なにも載せずに
(あるいは時間だけを載せて)
花筏が流れていく
死んだ先にも
物体としての未来があるのなら
わたしは
解体されたそのひとひらになり
海までたどりつき
魚に食べられて
ほんとうのおしまいになる
自由詩
a piece of spring
Copyright
そらの珊瑚
2018-04-03 15:04:37