フォースと共にあれ
TAT
闇に射すくめられても
憎しみに身を任せるなとあの人は言った
止まない雨は無いとか明けない夜は無いとか
それ系の常套句は全部
歌や台詞の為の文語だと軽んじていた
あの頃の僕ときたら
愛してるという言葉にすら
何ら実体は無いと認識していたぐらいだ
けれども心臓が破れて肩がひきつるまで走っていた放課後の
二度と来ない黄金色の光の中で
あの人は言うこと聞かない馬鹿を何十人も相手にしながら
それでも笑っていた
うんこ踏んでも気にすんな
逆の足でも踏んだら両方おんなじになってチャラやんけと
そう言って笑っていた
先生なんで死んだんや
俺もう大人になったのに
死んでもたら先生と酒
呑まれへんやんけ
フォースと共に行けと
あの人は言った