Specter
暁い夕日


気づいたら宙に浮いていた
気づいたかい?
僕はお空に浮かぶようにふわりふわりと

原色を忘れそうだよ

僕がはてた地上の事故現場とか、見えるよ、見えるよ

美しいボーダー波数の単音だけが続いて
耳の中をぐるりぐるりリフレインしているよ

気づいたら宙に浮いていた
気づいたかい?
僕の事見えないのかい?

何処にも行けそうな気がしないよ
ただふわりふわり浮いているんだ

ただの事故死なんだ  平凡でいられるだろう?

君に触れれそうにもない
だって、気づいたら宙に浮いていた
気づいたかい?

黒く塗られた漫画みたいだ  君は平凡でいられるだろう?

いつか、君の目の前でおどけてみせたい
そして、平凡だとつぶやく君の顔を眺めていたい

どうして、君は事故現場で泣き崩れているんだい?

漫画みたいだと思いなよ  君は平凡でいられるだろう?

美しいボーダー波数の単音だけが続いて
気づいたら宙に浮いていた
気づいてくれたかい?

いつか、君の目の前でおどけてみせたい
そして、平凡だとつぶやく君の顔を眺めていたい

まさか死ぬなんて
何で事故現場で泣いているのさ?
美しい単音の波数が響いている
交響曲かなぁ?

大丈夫だよ

君をひとりにしたりしないから

もう悲しまなくていいんだよ

目の前に颯爽と現れて

平凡だねって君は呟くさ

大丈夫だよ




ほら、





もうすぐ憑依するね



自由詩 Specter Copyright 暁い夕日 2018-03-28 23:23:13
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