Ghost
本木はじめ


聖書から蝶が飛び立つ何らかの啓示か赤き海の睡りは


ゲシュタルト崩壊ゆびでそっと背に描いて薔薇か麒麟か髑髏


首と肩、腕に背中を病んだ十一月風は止まぬ夕暮れ


切り落とす次から次へ曼珠沙華向こう岸からあなたが睨む


土砂降りを音で奏でよ幾億の無色の雨が黒く鳴るまで


病んでなお携帯手放せぬ秋の知らぬまに去る機会のごとく


命綱代わりにおまえの手を握る詩歌の深淵潜りゆくとき



短歌 Ghost Copyright 本木はじめ 2018-03-18 20:27:56
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