昼の顔 夜の顔
本城希望
また同じ過ちを犯そうとしている
また誰かを傷つけようとしている
己の欲望のあるがままに生きようとする僕の汚れた部分が
再び疼きはじめている
快楽を求めすぎるがために
どれだけの人を傷つけ
また、どれだけ自分自身も傷ついてきたことか
全ての根源は僕自身にあるから
僕以外に誰も悪くない
悪いのは僕だから
そういえば誰かが僕のことを
昼の顔と夜の顔があると言っていた
一人の人間に見え隠れする二つの顔
昼の顔が穏やかな分 夜の顔はまるで鬼のよう
手に触れる全てのものを傷つけ破壊し
朽ち果てていくさまを嘲笑い
夜の顔は次の獲物を探し彷徨い歩く
そして目覚めた朝の眩しいほどの太陽が
罪悪感の重石に重圧をかける
また僕はやってしまった
きっと誰かを傷つけた
昼の顔は何故か理不尽な後悔をする
まったく別の人格が犯した罪の大きさを知らなくとも
胸に残る鉛のような塊に何かを感じ
目に見えないものに跪く
その見えないものも僕自身なのに
何の罪の意識もない夜の顔が本当の僕なのだ
そしてまた汚れたこの手で君を抱く