レム
ヤスヒロ ハル

冬がゆらゆらと揺れる

わたしはふいに目的地を見失い
悠久のむこうに行くべきではなかったかと
そして何らかの高貴な食物を
聖なる酒を
勝ち取り持ち帰らねば
ならなかったではなかったかと
儚い冬に問い掛ける

見上げれば
光のはしけが季節を運んで
雲間をゆききしている

わたしは透明な桟橋に向かう
ささやかな勇気をまとい


冬がゆらゆらと揺れる

時の瞼の裏で神の瞳が
優しく揺らぎ始める


自由詩 レム Copyright ヤスヒロ ハル 2018-02-27 09:28:18
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