肉体
ルイーノ

 
 
日差しの中の胡桃

春ならば

触れたままでも
光るだろう

再現を拒む指繰り
すずなりの蜜を湛え
直立している
ミルクの木

心狂わせるものは
曲線

それらは風の中だろう

触感は痺れを泳いで
口紅の軌跡を追う
剥いたままに彼女
なだらかな起伏は円い

吐息を自由にしたならば


こんな日は
昼のうち
出掛てしまって
かまわない

きっと誰とも
仲良くできる

すてきな誰かと
出逢うだろう

ああ今

輝きは眼球を破いて
莫大な質量の上に浮かぶ

明日からの人生を変える
緑葉に纏った
雨粒の吹きこぼれる下

路面から立ち昇る霧が
この肉体の間
虹を掛ける


気まぐれ
 
 


自由詩 肉体 Copyright ルイーノ 2005-03-18 13:32:56
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