冷たさ
鷲田

外の暗闇は凍てつき
東京から見える星は
得てして飛行機の軌跡であったり
人の歩みは先が見えない

部屋の明かりは暖かく
柔らかい空気に感謝をしながら
それでも脳裏に息づく痛みは
凝り固まった過去の蓄積

こんな夜には
忘れたくても
止まらない想いが続くこともあるでしょう
あなたの映像は私に力をくれた
衝突の果ての力点を誰も見ることは出来ない

花が語る言葉のように
現実の日々を形にしたい
欲求を酒の力に任せて
あなたの記憶が明日の可能性になる

捨てられた紙屑のような感覚
たかがそんな肌の温度が
今日はやけに冷たい


自由詩 冷たさ Copyright 鷲田 2018-01-20 20:55:56
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