バタフライ
坂本瞳子
蝶の羽は燃えていた
太陽を目指して
はためかせていた羽に
火が点り
それでも高みを目指して
羽ばたかせた羽は
燻って
火の粉を撒き散らして
朽ちていきながらも
力のあらん限り
火の中へと舞い上がろうと
海面を目指して
もがき苦しむ人魚のごとく
その姿はそれはそれで美しく
ただ眺めていた
私はそこでいつまでも
自由詩
バタフライ
Copyright
坂本瞳子
2018-01-19 23:14:35