汚れた雪
坂本瞳子
雪なんて汚い
白い粉の塊が
誰からも羨望の眼差しで
受け止められるとは限らない
空気だって
雨だって
さして美しいとは言えない
火の粉に触れることは叶わず
埃は忌み嫌われ
結晶は目視できない
舞い降りる雪を
かき集めてボールにして
投げつけると
誰かの胸を突き破らんばかりに
拳以上の衝撃を与えるかもしれない
白い広場は血で塗れ
白の美しさを際立たせるというのか
汚らしい
自由詩
汚れた雪
Copyright
坂本瞳子
2018-01-11 16:30:50