風に
もっぷ

未来は永遠の一丁目
ときみは言ったよね
だから
それいいね!
って応じたよ本心から
うんうん!
携帯の向こうから聴こえた
あの日にはもう帰れない
きみももう帰らない

未来のどこを訪ねればよいのかな
券売機はどこなの
チケットこれで買えるかな
とりあえず片道でもいい

ください
切符をください
ものわかりの悪い駅員さんだな
夜が明けてしまうよ

――あしたのひかりのなかでわたしは悟る
いや それはうそだ
何がうそなんだ何が何が何が
(きみが未来を弔ったというそのことだ)
何が悟った、だ
鏡のなかのわたしのどこかが
わたしを裏切るように諭しはじめる
(一度も耳を傾けたことはない)

きみはまだわたしに言っていないよ
旅に出るとか探すなとかあるいは

光速を超えてタクシーに運ばれ
たどり着いた未明の晴海埠頭で

絶叫する

ちいさく 泣きながら きみに、



自由詩 風に Copyright もっぷ 2018-01-08 20:19:01
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