実際
desert trip
お金欲しい
ほんのちょっとでいいんだ
本当に少しでいい
別にそんな
たいした金額でなくていい
ほんのちょっと
等身大の
お金と寄り添ってくれる人と
僕を認知してくれる人と
最低限の尊敬が欲しい
いやいや別にそんな
金と女と地位と名誉が、とか
そんな大きなこと言えるわけがない
それにとてつもなく欲しいとか
そんな本気で言ってない
ベランダで昼寝してたら
猫が寄ってきて
ちょっとにらんだように思えたから
一緒に寝ようって陽だまりに
連れ出したくなったみたいな
そんな気分で言っているのさ
くさくてごめんね
毎日毎日くさくてごめんね
僕は3年前くらいから
急に頭皮から
実家で飼ってるワンちゃんの
臭いがするようになってしまった
原因不明 不治の病さ
どれだけ毎日洗っても
脂分が溶けだして
汗でもかけば
このとおりなのさ…
だからいっそのこと
次の散髪で
頭皮剥がして
お尻の皮でも移植してもらおうかなぁ…
考えすぎた
訳も分からず考えすぎた
そのオートマチックな機械音忘れるように
現実なんかどうでもいいんだぜとか
考えているうちに
自分が空気になってしまった
あーあ
無題
痛烈な角度で
僕は圧力プレス機でぺちゃんこだ
臭すぎるのだ
僕はこの匂いとのタタカイを
始めなければ…
猫背でごめんね
猫背でごめんね
この猫背はね
猫のように丸まって
寝るのが好きだからなのさ
見た目悪いね
ひんそーだしね
でも私
このグネグネの背骨見せつけるまで
ずるがしこそうに
立ち続けるの
筋肉欲しい
この不完全な身体を
わしは毎日鏡で見るのだ
ある時は眠そうに
ある時は凛々しく
ある時は泣きはらした眼で
筋肉横丁5丁目の
しぼうわけ たいぞーさんが
毎日のように「大丈夫?細いねー!」と連呼するから
なんだか不安になるけれど
偉い人が言っていた
太った人は自分を必死に肯定するがため
細い人を心配する素振りするんだってさ
わしが完全体になるころは
わしが完全体になる頃は
きっと緑がおっぱいみたいに
柔らかな光を受け入れて
てらてらと美しく揺れているだろう
わしはきっと完全体を持て余し
全裸で一人森の中
しっとりとした空気の中で
切り株に腰を下ろすだろう
そしてわしは野生の鹿を見る
そっと切り株に座ったまま息をひそめる
そのぷりっぷりの豊満なお尻に
わしは発情してしまう
耳赤らめて
そうして初めてわしは
完全体で良かったと
あつくなったわしの体を
脱力させながら足投げ出して
でっかい息子を濡らします
あっ、あっ はああ…
無題
僕よ
僕が守ってあげる
世の中怖い
優しさが人を刺したり
自分が急に分からなくなったり
僕よ
僕が守ってあげる
まずそれから始めよう
それからなんだ、きっと
卑屈さや器の小ささは
他にも沢山いる僕を
助けられるようになるといいね
無題
小便小僧が笑ってる
ほら
歩いた先に何かある
ただ口だけなんだと笑われる
でも希望だって持ちたくもなる
口臭だけの小便小僧を
見ていてそんなに楽しいかい
現実を
歩きなさいと言っているような
現実を
歩きなさいと言っているような
無題
どんどん心をつぎ込みましょう
だって心つぎ込んでも死なないし
心の投資さいくらでも
心ずるむけいくらでも
可能な限りのずるむけを
どうせ生きて死ぬだけなのだ
心の投資さいくらでも
ところで投資って何だ
まあいっか
感謝
僕のこと知ってますかと
知らないおじさんに尋ねてみたら
やっぱり知らなかった
僕の今や昔を知っている人へ
知ってくれてありがとう