CARTOLAの歌に寄せて
ただのみきや

艶やかなバラも散る
やさしげな言葉と眼差しを添えて
去って往く喜びの日々

誇らしげなバラも散る
たのしげなギターとメロウな歌声
血のなみだ流す心の代わりに

うめつくす雪の空
一羽残された鳥が渡る
真新しい便箋に落ちたピリオド

長い夜の壁紙は剥がれ落ち
火の酒のきらめきも苦い朝
抱きしめた夢のぬくもりさえ消えて

歌だけが流れていた
風が濡れた頬を撫ぜるのに似て
懲りない者へ 無償の愛で



         《CARTOLAの歌に寄せて:2018年1月3日》








自由詩 CARTOLAの歌に寄せて Copyright ただのみきや 2018-01-03 13:32:34
notebook Home 戻る