大晦日の空に
ただのみきや

穏やかに白く
少しだけ痩せた面持ちで
たなびく蒼い雲よりはるか
高くに在って潤むもの
この想い捉えて放さず
冬枯れた枝のすがる指先逃れ
軌跡すら残さずに
やわらかな光秘め沈黙の
あらゆる美徳を身に纏う
目覚めることも眠ることもない
繭玉は繭玉のまま
この夢の満ち欠け抱いて
往ってしまうか 月よ




         《大晦日の空に:2017年12月31日》







自由詩 大晦日の空に Copyright ただのみきや 2017-12-31 17:18:17縦
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