檸檬玉
藤鈴呼
甘酸っぱい何かを
めくるめく味わいに替えるために
必要な甘露
葉脈に吸い込まれた
小さく白い卵
底から何が 産まれ出るか
分からないのに
怖くは無いのか
逃げたくはならないか
語りかける時間が 見つからない
ただ 見守ることしか
出来ぬ夕べに
川岸に 黄色の浮き輪が見えた
浮かんでは沈み
沈んでは浮かんで来るかに思えた
いや
そう 信じたかっただけだ
思いは夢の中に溶け
コロコロと 舌の上を転がす
飴玉の雫
★,。・::・°☆。・:*:・°★,。・:*:・°☆。・:*:・°
自由詩
檸檬玉
Copyright
藤鈴呼
2017-12-19 21:07:29