汚れた空が
坂本瞳子

見上げた空は
千切れた雲がまばらに広がっていて
見なければよかったと思うほど
薄汚かった

思わず自らの姿を確認する必要を感じ
頭を腹の方へと下げてみるが
人様の目にどう映っているかまでは
なんとも分かりようがない

まあいいさ
しょうがないさ
幾度となく繰り返してきた
空虚な言葉が散漫する

どれだけのことを
諦めてきただろうか
本当は思ってもいないくせに
まあいいだなんて

ふと零れた涙が
自己嫌悪を思い起こし
今夜は眠れないと
胸騒ぎが始まった

一日くらい眠れなかったからと言って
鼓動が止まることはないのだから
悩めるときには奈落の底までも
沈んでみるのも悪くはないさ


自由詩 汚れた空が Copyright 坂本瞳子 2017-12-14 01:30:24
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