雨の風景
坂本瞳子
失くした雨傘は
どこへいったのだろうか
降り出した雨に打たれて
ふと、そんなことを思った
雨はどんどん強くなって
雨宿りをせずにはいられなくなった
軒先から滴る雨のしずくが
大きくて、冷たくて
身震いを覚え
立ち尽くすしかなかった
時間の歩みは遅く
永遠を垣間見たような気になって
遥か彼方の空を仰ぎ見ては
希望を諦めるということを知った
自由詩
雨の風景
Copyright
坂本瞳子
2017-12-06 00:27:07