1cmだけ足りなかったら
カマキリ
眠る前に夢を見るのがくせになって
耳から大事な言葉が抜けていくみたい
そうこうしているうちに
痛くない時間が過ぎていってしまう
注射針を避けながら歩く廊下
冷たいのか熱すぎるのか分からなくて
隣をかけていく思い出に声をかけたくなってしまう
さんざん雨が降って夜が止んだら
踏み出すまでたった1センチ足りなかったことをしよう
君がイラついて手を出してくるまでは
ほんとうに足りないものだらけだったんだ
不格好に積み上げられた言い訳に手を添えて
まだあえて見栄を張る週末に
何も精算できない僕だけのために
カラスよけのCDがギラギラと光っている