薬を酒で飲む
かんな




ことばが寒さから抜け出し
たいようを追いかける夜に
睡眠剤をウイスキーで呑む

景色はしろく記憶だけ鮮明で
墨汁で色濃く書いた文字さえ
どこか儚い冬のきろくになる

突然のあられが道をふさぐ
春までの途をふさぐように
眠りは永久であってほしい

ひんやりと霜の降りた朝に
かじかんだ手を誰か温めて
君に告げたいことばがまだ

わたしにはある




自由詩 薬を酒で飲む Copyright かんな 2017-11-27 21:54:00
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