甘い甘え
opus

鈍感なふりして何も知らんふり
めんどくさいが口癖の彼は
本当に面倒臭がり

紫色の空気を吸って
緑色の舌を育てる
ドロドロとした白眼を
赤い鮮血が鈍く染める

徒労だと思ってもやらざるを得ない
能力が金を生むのはわかっているが
僕の脳は思考停止

腹が痛いからトイレにこもる
ただそれだけの事なのに
何故いけないんだい?

青色の空に緑色の葉が映える
日差しが皮膚に刺さって
汗が滴る
汗が服を濡らし
服が体を締め付ける
息も絶え絶えに
見つめた先には
無邪気な子供たち
若い母親が遠くで見守っている

太陽のせいだから
そう思いながら
僕はその場を離れる
座っていたベンチに朝がこびりつく

臭い
汚い
煩い

黄ばんだ歯が剥き出されて
音のない声が叫ばれる
無駄な筋肉が
無駄な抵抗を与える

「生きる価値なんてない
そんなのわかっているから
あえて言うよ
死にたい」

きっとそんな奴が世の中溢れかえってる
俺もそんな奴が嫌いだから
死ねばいいと思ってる

楽しいことなんてしたくない
悲しいことなんてなおさらだ
(本当に?)

それでも無様に君を好いて
ほんとゴメンと息を吐く
無様に取り繕って
無様に今日を生きる

子供達の笑い声が聞こえる

ああ、なんて無様なんだろう


自由詩 甘い甘え Copyright opus 2017-11-27 19:07:52
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