スパイス
藤鈴呼


風の最中に立つ状況ならば
壁を探したり
穴を見付けたり 

はたまた風そのものを愉しめたりも
するのでしょうね

自然界と隔絶された空間、
例えばガラス張りの室内から眺めると

葉の動きを
視界に収めることは叶っても

風のくすぐったさを
肌で感じることは
出来ませんものね

されど
心で感じる風の存在に
ホッと一息吐く瞬間が
あるのでしょう


風の目の前に立つ場合
両目を閉じても 
さわさわと流れる滝の音で
風の存在を感じてしまえますが

硝子張りの空間から眺める風の場合は 
両目を閉じてしまったら 
存在ごと消去できそうな錯覚に
捉われそうです

それは決して 
妄想を逸脱しないのですけれど・・・

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自由詩 スパイス Copyright 藤鈴呼 2017-11-25 10:47:50
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