スパイス
藤鈴呼
風の最中に立つ状況ならば
壁を探したり
穴を見付けたり
はたまた風そのものを愉しめたりも
するのでしょうね
自然界と隔絶された空間、
例えばガラス張りの室内から眺めると
葉の動きを
視界に収めることは叶っても
風のくすぐったさを
肌で感じることは
出来ませんものね
されど
心で感じる風の存在に
ホッと一息吐く瞬間が
あるのでしょう
風の目の前に立つ場合
両目を閉じても
さわさわと流れる滝の音で
風の存在を感じてしまえますが
硝子張りの空間から眺める風の場合は
両目を閉じてしまったら
存在ごと消去できそうな錯覚に
捉われそうです
それは決して
妄想を逸脱しないのですけれど・・・
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