題名のない詩
水宮うみ
題名のない詩には、名前がありませんでした。
題名のない詩は愛されました。題名がないというだけで、読者にとっても、作者にとっても、なんだか特別になるからです。
題名のない詩は、名前が欠けているという理由で愛されている気がして、なんだか嫌でした。
題名のない詩は、こっそり自分で自分を名付けました。
その名前は、名前のある人には秘密です。
そうやって人知れずつけられた名前たちが、夜空の星々になるそうです。
自由詩
題名のない詩
Copyright
水宮うみ
2017-11-16 19:33:32