限りなくグレイな空に
藤鈴呼
ぼんやりと浮かぶ
黄を載せた雲が
ゆるやかに流れ始める時間帯
風は切なく
冷たさを予感させながら動く
訥々と語り出す恐怖に慄いて
切っ先の鋭さを誇示する風
流れた先に 淡く歪む月が
見事に閉ざした 前と言う名の路すがら
唯だ アクセルを踏み続ける深夜
綴じようとする書類と
閉じ始めた睫毛の角度が
やや同じ方角に傾いては蠢く
光 明 陽
そんな言葉ばかりを追い駆けた
昼間と言う名の 浅はかさ
砂利を踏むと 足の裏の感じた 存在感
確かに 何かを 越えて行くようだと
信じなければ
前に 進めは しないだろう
雲の隙間に見える
空の向こう側を 眺めては
溜息を 吐く
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