メルヘン食物連鎖
tonpekep
朝がじっとしていると
お昼が朝を食べてしまい
その食い滓がたくさんの花になる
たくさんの花に虫が寄ってきて
管をのばして蜜を吸っていると
いつの間にか虫はそれぞれ夕くれで
管のさきから
お昼をゆっくり飲み込んでいる
飲み込まれたお昼は
長い影法師となってお別れをする
そしてさよならを言っている間に
夜が夕くれを抱きしめると
ばりばりと夕くれはお腹から食べられ
そうして食い滓が辺りに散らかると
それは頭上に瞬きはじめるのだ
自由詩
メルヘン食物連鎖
Copyright
tonpekep
2005-03-15 15:45:59