悔やまれる
間村長

小学生の郁子ちゃんが
書店で働いていたので
警察に踏み込まれた
「俺が店長の川山だ」
「俺が警察の山田だ」
合唱「野生の馬」が流れる
合唱「紀の川」が流れる
合唱「ヒカリ」が流れる
私は高一になった
今は担任の先生が山田先生で
あの頃の事を思い出す
私も小学生だが働いていて
郁子ちゃんを守れなかったのが悔やまれる
私の場合は背が高かったので
十三歳以上を装えて
学校長の許可と親権者の許可を得て
働けるのだと強弁できたのだ
あの頃のことを思い出すと
何時でもバイクがよぎって行く
バイクが過ぎたから許される事ではないが
何にしろ郁子ちゃんを守れなかったのが未だに
悔やまれるのだ


自由詩 悔やまれる Copyright 間村長 2017-11-11 03:04:49
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