詩を書きたい
水宮うみ
詩を書きたい。
はじまりを告げる詩を書きたい。
安心を与える詩を書きたい。
温もりのある詩を書きたい。
おわりを惜しむ詩を書きたい。
誰かの心に少しでも住めるような、そんな詩を書きたい。
詩を書いてみようと、人に思わせるような詩が書きたい。
詩を書かなくなった人に、再び筆をにぎらせるような詩が書きたい。
肯定する詩が書きたい。何も否定することのない、優しい詩が書きたい。
鳥が鳴くように、
こどもがなにかに疑問を感じるように、
水面に波紋が広がるように、
僕は詩を書きたい。