旅行メモ
◇レキ
闇は暗さにしか生きないらしい
例えば雨上がりの朝は
闇の気配を残している
貨物列車がごとり、と音を立てる
その分からない程の微動で
昨晩、闇が確かにあったことが分かる
雨雲を置き去りにして
空は随分甘い色
※
身体ではどうにもならないものを前に人は美しい
後悔が空に溶けてる
例えばどうにもならない後悔が
この絶望の行き止まりに息絶えて…
※
どうでもいいや
貨物列車が草に埋もれて
人もいないのに遠くで風車が列をなして回っている
生産のために捨てられた町の駅
なぜこんなにも綺麗な駅名ばかりなのだろう
だからこそなのか雲はいぶくように空一杯に生きている