声なき叫び-本性
橘 紫苑
穢れた少年時代 穢れた青春
上手く言えるわけじゃない
だけど僕を壊したのは紛れもなく
「時代」そのものなんだろう
怖いもの知らずとは よく言われるけども
沢山犠牲にしてきた
心を偽りにして 偽りの表情
「仮面」を付けて そうやって僕は生きてきた
今日に至るまで 僕は自分自身だけに留まらず
他人の痛みまでも抱きしめて
生きている
他人に慈愛の目を向けることで僕自身が生きている
実感を得ることができる
人の死にも感情を向けることが出来ないまま
物思いにふける時間も与えられないまま
僕らはどんな感情でも
この日常を繰り返させられる
それが+の感情だったとしても
彼女が愛しくなったり 人の温もりを
感じたり
そんな感情でも時は刻一刻と過ぎていく
残酷な世の中だ こう吐き捨て
命捨てようと思ったものの 結局は自分が愛おしくなる