どうしようもなく
坂本瞳子

春の空が欲しい

ふと
そんな想いが過ぎった

だからと言って
できることはない

桜の花が好きでもない
お気に入りの季節でもない

けれど
そんな風に思ってしまって
どうにも抑えきれなくて
なにをどうしたらいいのか分からなくって
叫び出したくって
走り出したくって
この迸る想いをどこへどうしたらいいのかが分からないのに
だれもなにも教えてくれなくって

気がついたら交差点の真ん中で
人混みの中
号泣していた

おまわりさんに連れて行かれた

でも答えは見つからなかった
涙は止まった
いや
止められた

鼻水も涎も
拭き取られた

もうすぐ朝が来る

春の空はまだ遠い


自由詩 どうしようもなく Copyright 坂本瞳子 2017-10-13 00:37:02
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