土曜日の彼女
無限上昇のカノン

1人では決められない優柔不断な彼女は
そんな自分に嫌気が差して
不機嫌な顔で黙り込む
サイズの合わない靴でダンスをするから
優雅には見えないステップを踏んで
足はボロボロ
断ればいいのに断り切れない

スカートの裾を踏んで転びかけては
天使たちに抱き止められる
情けない気分で彼女は
怒ったような顔をする
ちょっとはサイズの合った服を着て
サイズの合った靴を履こうよ
当たり前のことすらできない彼女は
自分自身に腹を立てて
口をつぐんでふさぎ込む

今日は土曜日
夜通しダンスパーティー
気乗りがしないことを隠して
流行はやりの服を着る
似合わない色のドレスに不釣り合いなピンヒール
嫌いと言えなくて無理をして飲むワイン
自己嫌悪に陥って彼女は
壁の花を決めこむ
ちっとも楽しくないのに顔だけは笑顔
嫌われるのが恐くて何も言えない


自由詩 土曜日の彼女 Copyright 無限上昇のカノン 2017-09-30 15:05:41
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